【資金繰りに苦労している企業必見】
資金繰りを改善する支援制度「経営改善計画」とは

 こんにちは、株式会社Daysコンサルティングです。
 みなさまの会社は資金繰りが上手くいっていますか?今回は「決算が赤字になっているが新規融資を受けたい」「返済を止めてもらいたい」「資金繰りを安定化させたい」そんなお悩みを抱えている経営者に向けて「経営改善計画」を解説します。

経営改善計画(通称:405事業)とは

経営改善計画の概要

 正式名称を「経営改善計画策定支援事業」(以下、経営改善計画)と呼び、金融支援を伴う本格的な経営改善の取組が必要な中小企業・小規模事業者を対象として、国が認定した専門家である認定経営革新等支援機関が経営改善計画の策定を支援し、経営改善の取組みを促す制度です。
 なお、2013年3月の本制度の事業開始時に執行された予算額が405億円であったため、通称「405事業」とも呼ばれています。

経営改善計画を活用するメリット

 例えば、「資金繰りが厳しくて返済をストップしてほしい」「決算で赤字が続いているが新規の融資を申し込みたい」といった金融支援を検討する際に、金融機関から事業計画書や経営改善計画書の提出を求められることがあります。しかし、事業計画書や経営改善計画書の策定を自社だけで行うことは非常に難しいです。

 そこで、中小企業と専門家が一緒になって経営改善計画書を作成することで以下のようなメリットが挙げられます。

自社の財務状況や資金繰りを把握して収益力を向上できる

 日本の中小企業で倒産している企業の約半分が「黒字倒産」だと言われています。黒字倒産とは、文字通り決算が黒字なのに倒産してしまうことを指します。ではなぜ、そんなことが起きてしまうのでしょうか。
 理由は様々ですが、その1つは「現金が無くなってしまった」ことが挙げられます。物が売れるのに仕入れるお金がない、支払いがあるのに売上があってもまだ入ってきていない、このような状況です。このようなケースは「資金繰り表」を作成することで防ぐことができます。資金繰り表とは、黒字や赤字といった収支ではなく、現預金の流れを把握するものです。資金繰り表はおそらくほとんどの会社で作っておらず、特に売上が好調で現預金が潤沢にある会社は不要かもしれません。しかし、新型コロナウィルスや物価高の影響でいつ会社の現預金が不足するかわかりません。そこで、普段から資金繰り表を活用できるために専門家が一緒に作成と活用方法について伴走支援することができます。

金融機関との交渉がスムーズにできる

 直近決算や累積で赤字の状態になっていると金融機関の融資は受けづらくなります。しかし、経営改善計画書に基づき、自分の会社がどのような状態で、今後どのようにアクションして再生していくのかを根拠立てて説明することが求められます。
 業績が好調のときは、事業計画書がなくても金融機関は融資をしたいので、口頭で承諾を得られることもあります。しかし、たちまち業績が悪くなると金融機関はお金を貸してくれません。そのような状況において、経営改善計画書を提出することで金融機関との交渉をスムーズにすることができます。

自社の課題を経営者・従業員が認識できる

 経営改善計画書は金融支援等が必要な場合に活用されることが多いのですが、経営改善計画書を作る最大のメリットを私は「自社の課題を経営者と従業員に認識させられること」だと考えています。外部要因はあるとしても、何かしら自社に問題や課題があったからこそ、業績が悪くなっていったと考えられます。そこで、経営改善計画書の策定を通じて、自社の課題を一緒に整理して、それに対する対応策を現場レベルで検討していくことで、計画をより具体的かつ実行できるレベルに落とし込むことができます。
 経営改善計画書は金融支援を受けるためだけのものではなく、会社の業績を良くするために、会社全体の方向性を合わせるためのものと私は捉えています。

専門家の伴走支援が受けられる

 経営改善計画の制度を活用することで、経営改善計画書の策定だけではなく、その後計画通りに事業が行われているかを確認・相談するために専門家の支援を受けることができます。私の体験談として、中小企業は「実行支援」のフェーズがとても大変です。中小企業の経営者がそもそもプレイヤーであったり、人数が限られているため計画を実行に移せない等、「この実行段階ができないから業績が悪くなっているんだ!」というのは私も現場に入らせていただいた時にひしひしと痛感しました。
 そのため、弊社の場合は、定期的に面談を通して進捗確認や進んでいない場合はその原因を特定することや一緒に現場に入って改善することも行っています。そのような伴走支援も経営改善計画の策定と一緒に支援を受けることができます。

経営改善計画書に記載する内容

 経営改善計画書に盛り込む内容は主に以下のとおりです。

①現状分析
 「ローカルベンチマーク」等を活用して財務、商流、業務フロー等の経営環境等を分析
②経営課題の明確化
 ①を踏まえた課題の明確化と経営者の「ありたい姿」の実現に向けた動機付け
③課題解決策の検討
 効率的かつ実行可能性の高い解決策検討
④アクションプランの策定
 具体的に実行できる行動計画の策定
⑤数値計画の策定
 ④による効果を踏まえた見通しの数値化
⑥資金繰りの検討
 資金収支の予測と過不足への対策検討
⑦金融支援内容の検討
 金融機関とできるだけ多くの情報を共有の上、金融支援の必要性や返済計画等の理解を求める

経営改善計画策定支援事業の補助金額

 経営改善計画書の策定および伴走支援に対する補助金額は以下のとおりです。
 「DD・計画策定支援」は経営改善計画書の作成やアクションプランの検討を行います。「伴走支援」は策定した経営改善計画が計画通りに進んでいるかの進捗確認やアドバイスを行います。
 なお、「伴走支援」の費用だけで申請することはできません。

例えば、経営改善計画書の策定に「100万円」、その後の伴走支援が「1回10万円を5回受けて50万円」という場合は、合計150万円のうち、中小企業の負担は1/3の50万円のみとなります。金融機関の交渉に活用できる経営改善計画の策定とその後の伴走支援までついて費用負担が1/3はとてもメリットが大きいです。

 

経営改善計画書の申込方法

  1. 自社が対象かどうか確認する
    【対象事業者】
    ・中小企業者
    ・小規模事業者
    ・個人事業主
    ・農業や漁業など 1 次産業の事業を行っている事業者
    ・医療法人(「常時使用する従業員が 300 人以下」に限る)」
    【対象外】
    ・社会福祉法人
    ・特定非営利活動法人(NPO 法人)
    ・一般社団法人
    ・一般財団法人
    ・公益社団法人、公益財団法人
    ・農事組合法人、農業協同組合
    ・生活協同組合、LLP(有限責任事業組合)
    ・学校法人
  2. 認定支援機関を探す
    経営改善計画支援事業は、認定経営革新等支援機関と共同で策定する必要があります。まずは顧問税理士さんが認定支援機関かご確認いただけると良いと思います。
    しかし、税理士事務所でも認定支援機関ではなかったり、経営改善計画書の策定を行っていない事務所も多数あります。そのような場合は、弊社までご相談ください。
  3. 中小企業活性化協議会へ利用申請を行う
    認定支援機関が決まったら、経営改善計画策定支援事業の事務局を行なっている「中小企業活性化協議会」に対して、申請に必要な書類を作成し、提出します。
  4. 経営改善計画の策定・金融機関との合意形成
    中小企業活性化協議会から認定が下りた後、いよいよ認定支援機関とともに経営改善計画の策定に取り組みます。策定後、経営改善計画策定支援事業は金融支援を伴うことが条件となっていることから、金融支援を行なっていただく金融機関や取引している全ての金融機関に対して、経営改善計画書を提出します。そして、金融支援の合意を得られるように交渉に入ります。
  5. モニタリング・実行支援
    無事に金融支援を受けることができたら、計画したプランがきちんと遂行できているかを認定支援機関がモニタリングします。弊社の場合、単なるモニタリングだけではなく、進捗に応じて一緒に現場に入って改善活動も行っています。
    進捗状況やモニタリングの結果を各金融機関や活性化協議会に報告を行います。


    以上が経営改善計画支援事業の流れになります。

まとめ

 昨今、物価高や新型コロナウィルスの影響により、資金繰りや業績が悪化している企業が急増しています。特に資金繰りに関しては、「現金がなくなりそう」という時点では手遅れになる場面があります。資金繰りを改善したい、財務状況を改善したい、融資を受けたい、条件変更・リスケをしたい、そんなときはお早めにお気軽に弊社までご相談ください。まずは無料相談からお話をお伺いさせていただきます。

 最後に、本コラムは中小企業庁ホームページの情報・公募要領をもとに引用・参照させていただき、作成しています。詳細は下記事務局ホームページをご覧ください。