【組織づくりに悩んでいる方必見】経営幹部が育たない会社で、実は社長が無意識にやっている5つのこと


中小企業経営者の悩み

「幹部が育たないんです」

これは、中小企業の社長から最も多く聞く悩みの一つです。

  • 期待していた幹部やリーダーが、指示待ちになっている
  • 権限移譲して判断を任せているが、結局うまくいかない
  • 大事なことは結局社長が全部決めている

そして多くの社長は、こう結論づけます。

「うちには、幹部候補がいない」

しかし実際は、
幹部が育たない原因は“能力”ではないケースがほとんどです。

今回は、
幹部が育たない会社で、社長が無意識にやっている5つのことを整理します。


① 判断を任せている「つもり」になっている

先のように悩んでいる中小企業の経営者はこう言います。

  • 「管理職にもう任せている」
  • 「それぞれがやりたいように自由にやっていいと言っている」

しかし実態は、

  • ところどころ首を突っ込んでいる、そして最終判断は社長
  • 最終的なアウトプットでNGが出る基準は不明確
  • 課題解決が進まなかったり、失敗すると後出しで修正が入る

こういった時、幹部やリーダーが言うことも決まって同じです。

「あぁどうせ考えても、最後は社長が決めるから自分で考えなくていいや」

こう従業員に思われてしまった時点で、幹部やリーダー、ひいては従業員も思考を止め、社長の答え探しをはじめ、指示待ち人間になります。


② 正解を知っている前提で話してしまう

社長は現場も事業も熟知しています。
だからこそ、

  • 「常識的に考えると普通はこうだろ」
  • 「そこは普通に考えれば分かる」
  • 「あれこれ前にも言ったよね」

と、説明を省略しがちです。

しかし幹部側は、

  • なぜその判断に至ったのか
  • 何を基準に考えるのか
  • どこまでが自分が持っている裁量なのか

が分からない。

つまり、幹部は正解を求めているのではなく、そこまでの思考プロセスが「わからない」のです。それはプロセスが共有されていないことが原因です。

当然ですが、従業員は社長ではないのです。技術や知識も違えば、性格・モチベーション・会社に対する考え方まで違います。そういった方々に「普通に考えたらわかる」と言っても、これでは、幹部は育ちません。


③ 失敗を“経験”に変換していない

プロジェクトやチーム編成、新しい仕事を経営幹部やチームに任せて失敗したとき、

  • 途中で社長が口を挟んで修正する
  • 「もういい、俺がやる」と痺れを切らして仕事を奪う

こうしてしまうと、その失敗はただの事故で終わります。

本来やるべきなのは、

  • 失敗したときになぜそう判断したのか
  • 作業のどこでズレが生じてしまったのか
  • 次回はどこを修正してどう軌道修正を図るか

根本的な原因を社長が答えを出すのではなく、一緒に悩んで考えて言語化して共有することです。幹部やリーダーには失敗を通じて、そのプロセスや思考・行動を言語化して、改善活動を「自主的」に促してはじめて「成長」することができます。


④ 役割と責任が曖昧なまま任せている

中小企業では非常によくある状態です。

  • 管理者を置かないとと思い、肩書きは幹部・リーダー・班長とする
  • 最終的な判断や決定は社長が持っている(権限移譲ができていない)
  • KPIや数字に対する責任も曖昧なまま

これでは、幹部はこうなります。

報酬も変わらず責任は取れないが、仕事だけは振られる人 になります。これがいわゆる仕事だけが多くて残業過多になり、管理職にはなりたくない!と考える人が多くなる背景です。

幹部が育つために必要なのは、

  • ポジションと同じく明確な役割を示してあげる
  • 社長幹部の責任範囲を明確にして目標設定をする
  • 会社全般か各チームの事柄なのかで明確な判断ラインを設ける

「任せる」とは、単に仕事を増やす・与えることではなく、“正しい責任”を渡すことです。


⑤ 社長が“考える役”を手放していない

中小企業ではこんなことが非常によく起こっており、最も大きな原因がこちらです。

  • 経営戦略は社長の頭の中だけにある→従業員に共有されていない
  • 優先順位は社長基準なので、アイディアだけがどんどん現場に降りてくる

この状態で幹部やリーダーに求められるのは、
社長の意図を当てるゲーム

それは「幹部」ではなく、社長の答えを当てることができる優秀なイエスマンで終わってしまいます。


幹部が育つ会社で起きていること

経営幹部やリーダー、ひいては従業員が育っている会社では、

  • 社長の思考プロセスまで言語化されている
  • 会社としての判断基準が明確かつ共有されている
  • 失敗が失敗で終わらせず、次回の学習に変換されている
  • 忙しい社長の代わりに考える役割が存在する

人員が限られている中小企業でそもそも経営幹部がいないということもあるでしょう。そんな中でも成長している中小企業の要因は、忙しい社長の頭を分解・翻訳して従業員に伝達できる人材がいるということです。


中小企業に真に必要なのは「幹部育成」ではない

ここまでのことを踏まえると、多くの社長は、

  • 経営幹部を育てるために研修を入れる
  • 自己啓発の本を読ませたり、セミナーに行かせる

という方法を取ります。

しかし、従業員は人事評価に響いたり、そもそも社長と従業員という従属関係にある以上、社長に対して提言することはほぼ無理でしょう。また、社長自身も自分が考えている自身や会社の悩みを従業員に打ち明けるのは難しいと思います。

弊社が実際にあった事例として、経営が非常に厳しい会社の経営者が、「従業員が主体的でなく、会社の業績も悪化しているので、もっとコスト意識や利益に対する意識を高めてほしい」と仰っていました。そして、経営会議で業績が下がっている状態などをリーダーにシェアしたところ、リーダーたちの本音は「この会社大丈夫かな?早めに転職した方が良いかな?」という本音でした。このように、社長の本音を従業員にぶつけることは良い結果を招かないことが多々あります。

つまり、本当に必要なのは、

社長の悩みや実現したいことを共に考え、経営幹部や従業員を巻き込んで一緒に事業推進する存在

それが、COO(最高執行責任者)の役割です。


まとめ

幹部が育たないのは、社長のせいでも、幹部のせいでもありません。

それは組織設計の問題です。

  • 社長が考えすぎている
  • 幹部が考える余白がない
  • 思考が共有されていない

この構造を変えない限り、
幹部はいつまでも育ちません。


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 この記事を書いた人:株式会社Daysコンサルティング代表 本宮 直
 中小企業診断士・経営革新等認定支援機関へ登録。2022年に中小企業診断士事務所として独立。会社の強みを活かす経営支援で、組織を成長させる実行支援「COO代行サービス」により、クライアントの対前年成長率は平均157%・補助金や融資の採択率は96%を超え、着実に成果を出す支援が特徴。

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