経営幹部が育たない会社に共通する5つの原因|中小企業がNo.2を育てる方法
中小企業の経営者が抱える悩み
「うちの幹部、全然育たないんですよ」
経営者から、こんな相談を受けることがあります。
「もう10年以上いるんですけどね」
「部長にはしているんです」
「給料も上げたし、ある程度任せているつもりです」
「でも、結局何かあると全部私のところに来るんですよ」
ここまで話したところで、
「本人たちには、どこまで判断を任せていますか?」
と聞くと、「いや、重要なところは私が決めています」という答えが返ってくる。
ほとんどの社長は、「もっと自分で考えてほしい」
幹部からすると、「どうせ最後は社長が決める」
お互いそんな風に考えています。この状態が何年も続くと、
「幹部が育たない会社」が出来上がります。
もちろん、本人の能力や意欲に問題がある場合もありますし、全員が経営幹部に向いているわけでもありません。
ただ、私が中小企業を支援していて感じるのは、
幹部本人を変えようとする前に、企業側の仕組みを見た方がいいケースが非常に多い
ということです。また、どこの企業でも
「もっと経営者目線を持ってくれ」と言いながら、会社の利益を教えていない。
「自分で判断してくれ」と言いながら、会議の最後には社長がひっくり返す。
「失敗してもいいからやってみろ」と言いながら、失敗した瞬間、「もういい、自分がやる」となる。
これはどういう状態かというと、当社では
「社長の正解探しをしている状態」と定義しています。
これでは、なかなか管理者や社員は育ちません。私は経営幹部を育てることは、
「教育すること」よりも「経営を経験・体験させること」だと考えています。
今回は、なぜ中小企業で経営幹部が育たないのか。
そして、どうすれば「社長の指示を待つ管理職」から「会社のことを考えられる経営幹部」へ変わっていくのか。現場で実際に感じてきたことも交えながらお伝えします。
1.そもそも「管理者」と「経営幹部」は、まったく違う
私は、管理者などの役職であることと、取締役などの経営幹部であることは別だと考えています。
営業部長を例に挙げると、社長から「今年の営業目標は2億円ね」と言われて、「分かりました」と営業メンバーを管理する。これは管理職として非常に重要な仕事です。
ですが、経営幹部になると、少し違います。例えば会社が、「3年後に売上10億円」を目指しているとします。すると、
・今の営業組織で10億いけるのか?
・既存顧客へのアプローチだけで足りるのか?
・新しい商品が必要じゃないか?
・営業をあと何人採用する?
・そもそも10億になったとき利益はいくら残る?
というところまで考えます。つまり、
管理職は「与えられた目標をどう達成するか」を考える人。
経営幹部は「会社の目標から、自分たちが何をすべきか」まで考える人。
だと考えています。ところが、昨日まで課長だった人を部長にして、「はい、今日から経営者目線を持ってください」と言っても、そんな簡単には変わりません。むしろ課長も可哀想です。
課長はこんな風に思っています。「経営者目線って、具体的に何を見ればいいの?」
経営者目線を持たせたいのであれば、「経営者が見ているものを共有する」「経営者が考えていることを一緒に考えさせる」「経営者がしている判断を経験させる」といったように実体験から教育していかないと、経営幹部の育成は難しいです。
2.なぜ経営幹部が育たないのか?
幹部が育たない会社には、次の5つのいずれか又はすべてが当てはまります。
① 仕事に対する意思決定を「本当に」経営幹部に任せているか
② 会議の雰囲気が社長の答え探しになっていないか
③ 管理者が経験する・失敗する機会を社長自身が奪っていないか
④ 権限移譲を行った上で、責任と権限を与えているか
⑤ 経営について経営幹部が考えているか
「本人の能力がない」と結論を出すのは、まず上記5つを確認した後でも遅くありません。
3.原因① 「任せている」と言いながら、最後は社長が決めている
社長に、「幹部へ仕事を任せていますか?」と聞くと、ほとんどの社長は「しっかり任せていますよ」と答えます。ですが、会議に出席したり、管理者と面談して詳しく聞いていくと、
「最終的には社長が確認します」
「金額や人数等の規模が大きい案件は社長が決めます」
「どんな人を採用するかは重要なので、採用の最終面接は怖いので社長が見ます」
「資金繰りや銀行交渉など金額が絡むところは社長ですね」
結局、ほとんど社長が決めています。これは社長を責めているわけではありません。その理由は明白で、「この会社のことは、1番社長が考えているし、心配だし、営業も業務も自分がやった方が早いから」です。
社長からすると当たり前なんです。失敗したら損をするのは会社だし、自分なら10分で判断できるし、社員に説明するより自分でやった方が速い。だから、つい口を出してしまうんです。
しかし、幹部側からすると、「自分で考えても、最後は社長が決めるんでしょ」となります。そうなると、人はだんだん考えなくなります。
「社長、どうしましょう?」と聞いた方が速いからです。そして社長は、「なんで自分で考えないんだ」と思う。幹部からすると、「自分で考えても社長が変えるじゃないですか」と本記事の冒頭の話と同じことになります。
つまり、仕事を任せることと、判断を任せることは違います。
例えば「採用を任せる」なら、
・求人を出すところまで
・面接をするまで
・採用する人数
・採用に対する予算
・最終的に採用者を決める
これらをどこまで幹部自身の判断で決定していいか、つまり責任と権限を渡して良いかを決める必要があります。「任せたつもり」では、人を育てることはできません。
4.原因② 幹部が「社長の正解探し」を始めている
①の原因と似ているのですが、私はこれを、「社長の意図を当てるゲーム」と呼んでいます。
一番顕著なのが、経営会議です。当社は経営会議や部内会議のファシリテーションを担わせていただいているのですが、よくある光景です。
社長が、「今期、利益率を上げたいんだけど、何か案ある?」とテーマを出した時、
本来なら、
・不採算商品を整理した方がいいです
・値上げした方がいいです
・外注費を見直しましょう
と、それぞれが意見を言えばいいのに、誰も話さない。社長が痺れを切らして、「何かないの?」と言いますが、まだ誰も話しません。考えているフリはします。
そこで一人が恐る恐る、「人件費を削減するとかですかね……」と言う。すると社長が、
「いや、人件費は結構削減できているから、効率化できる方法を考えてほしいんだけど」と言う。
これを繰り返していくとどうなるかというと、次から社員は、
「自分がどう思うか」ではなく「社長は何を言ってほしいのか」を考えるようになります。これが「社長の意図を当てるゲーム」です。
経営幹部や管理者に限らず、人は無能だと思われたくないし、怒られたくないし、否定されたくないんです。
社長は口では、「自由に意見を言ってほしい」と言いますが、社員からすると、「どうせ正解が決まってるから言わなくても良いじゃん」と思っています。
例えば、もし、社長の中にすでに答えがあるなら、
「私はこう考えている。みんなはどう思う?」と素直に聞いた方がよっぽど良いです。逆に、本当に幹部へ考えさせたいなら、当社のファシリテーションですと、
「あなたならどうする?」「どうやったらできそう?」「どうしてそう思ったの?」など、施策や案に関して深掘りするのではなく、そう考えた背景や根拠を聞いていき、社長から答えをすぐに言わないようにしていきます。
経営幹部や社員を育てるということは、答えを教えることより、考え方を教えることの方が大切です。
5.原因③ 「もういい、俺がやる」が成長機会を奪っている
経営者なら、一度は言いたくなったことがあるのではないでしょうか。
「任せた仕事が遅い」「判断が甘い、根拠がない」「顧客対応が遅い」「資料の完成度が低い」など見ていると居ても立っても居られなくなり、
そして、最後は「もういい。俺がやる」となります。社長がやった方がいい、それは「当たり前」です。社長の方が、経験も意思決定もこれまでたくさんしてきました。ですが、その仕事を社長が取り上げた瞬間、幹部は何を学ぶのでしょうか。それは、
「失敗すると社長がやってくれる」
最悪なのは、「自分にはできない」と本人が思い始めることです。私は、失敗そのものより、失敗した後に何をするかの方が大事だと思っています。人は失敗したくない生き物です。ですから、放置しておくと「結果が出ること」ではなく、「失敗しないこと」を選択するようになっていきます。
社長は責めるのではなく、なんでこの判断をした?どこで間違えた?最初に何を確認していれば防げた?じゃあ次はどうする?を一緒に振り返って、もう一度やらせる。
もちろん会社が傾くような失敗をさせる必要はありません。ですが、「失敗させたくない」からと社長が全部先回りしてしまえば、幹部は永遠に社長ほど経験を積めません。
6.原因④ 責任だけ増えて、権限が増えていない
中小企業の場合、キャリアプランやロードマップのようなものがある方が珍しいです。人員の都合や経験年数から「じゃ、来年から部長ね」と言われることの方が多いのではないでしょうか。
マネジメントする人数も増え、会議も増え、問題が起きると責任者として呼ばれる。
でも、使える予算は決められない、商品の価格も決められない、人事評価も最終的には社長の決裁、重要な営業案件も社長決裁。いわゆるこれが管理者の不満に繋がりやすい
「仕事と責任だけが増えている」という状態です。それで、「もっと責任感を持て」と言われても難しいです。責任を持たせるのであれば、責任を果たすための権限も一緒に渡します。
例えば、「営業部の粗利益○万円に責任を持ってください」とするなら、
・営業施策に使える予算
・商品価格の決定権
・メンバーの配置や採用
・営業する販路や方法
など、責任と裁量をセットにして渡すことが重要です。責任だけ渡すのは、権限移譲ではありません。
7.原因⑤ そもそも社長しか経営について考えていない
社長の不満で特に多いのが、「うちの幹部は経営者目線がない」ですが、そういう社長に、「では、幹部と一緒に経営について考える時間はどのくらいありますか?」と聞くと、
「月1回の定例会議くらいですね」と言われます。しかもそういう会社の定例会は、上記の社長の意見を聞く会議になっていることが多いため、会議自体も
「先月の売上は○○万円でした」
「新規で訪問した営業は○件です」
「採用は応募○件です」
という報告会で終わっています。
これで経営者目線を持てというのは、かなり難しいと思います。
経営者は毎日会社のことを考えて、売上・利益・採用・資金繰り・新規事業・競合他社・社員の給料や教育・顧客のことなど、会社全体について考えています。
一方、幹部は自分の責任範疇の仕事をしています。そんな人に突然、「会社全体のことを考えろ」と言っても、考える材料も能力も時間もありません。
だから、経営について考える場所を意図的につくる必要があります。私は経営会議を、「社長へ報告する場所」ではなく、「社長と幹部が一緒に経営について考える場所」に変えるべきだと思っています。
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8.では、どうすれば経営幹部は育つのか?
ここまでお読みいただき、「じゃあ結局、どうしたらいいの?」と思われると思います。
答えはシンプルで、経営幹部の方や将来の幹部候補に社長の視点で
「見る・考える・決める・実行する・振り返る」
この5つをとにかく経験させることです。
ただし、多くの会社では、
「見る」→ 社長だけが会社の経営数字を知っている
「考える」→ 意思決定の材料が無いので、社長だけが考える
「決める」→ 同じく材料がないので、社長だけが決める
「実行する」→ 考えて決めた事柄を幹部・社員に伝えてやらせる
「振り返る」→ 人事評価や経営会議で社長が評価する
となっているパターンがほとんどです。これでは、経営幹部は「実行する」しか経験していません。経営幹部を育てたいなら、5つの経験を社長と一緒にさせ、ゆくゆくは責任と権限をセットで渡して経験させる必要があります。
9.幹部育成を5ステップで進める
STEP1 まず「何を任せたいのか」を決める
いきなり、「経営者目線を持て」と言われてもわからないので、最初は営業なのか、人事なのか、採用なのか、新規事業なのか、新商品開発なのかなど、まず担当させる領域を決めます。
STEP2 数字を見せる
いきなり責任を持たせるのではなく、決算書や数字の考え方を覚えてもらうために数字を共有します。特に経営会議で取り扱うような売上だけでなく、「粗利益」「人件費」「固定費」「生産性」など、もちろん共有できる範囲で判断に必要な数字を見せます。
会社の利益や経費を知らない人に対して、「利益を考えて売上高を決めてきて」と言っても作れません。まずはその見方を伝えないといけません。
STEP3 自分で考えさせる
例えば、問題が起きても、社長はすぐに答えを言わないでください。「どうしたらいいですか?」と聞かれたら、「あなたはどうしたい?」と返してみてください。
最初は社長が思った回答は返ってきませんし、時間もかかります。社長が考えた方が良い答えを出せますし、答えを出す速さも10倍速いこともあります。ですが、それを我慢しないと育ちません。
STEP4 実際に決めさせる
考えるだけではなく、一定範囲で本人に決めてもらいます。また当社の場合は、KPIや目標を決めて終わりではなく、それらを達成するためのアクションプランをセットで考えさせてください。
・目標予算○万円:アクションプランは既存顧客の掘り起こし、新規リードを◯◯で獲得
・商品の値決め±○%:原価・競合他社の価格を計算して±◯%まではリアルタイムで価格設定を実施
・採用人数○人:求人媒体の活用、募集用SNSの運用
というように、判断できる目標と範囲を決めた上で、アクションプランまで決定します。いきなりすべてを渡す必要はありません。
STEP5 失敗したら、一緒に振り返る
思ったような成果が挙がらなくても「だから言っただろ」で終わらせない。人格否定や精神論で詰めても現実は変わらないですし、マイナスに働くことはあってもプラスになったことは当社では見たことがありません。
成果が挙がらなかった理由や失敗してしまった理由を深掘りして、何が違ったのか、次に同じケースが来たら、何を見るのか、どう判断するのか。そして、何よりももう一度任せる。この繰り返しを高速でまわしていくほかありません。
10.幹部研修だけで経営幹部が育たない理由
前提として、私は幹部研修を否定しているわけではありません。知識を学ぶことやマネジメントを体系的に理解するなどいずれも必要なことですし、非常に有効な研修です。
しかし、研修や自己啓発で「経営者目線」を講話や本などで勉強することと、実際に経営判断することは大きく違います。
野球の本を100冊読んでも、試合に出なければ野球選手にはなれません。経営も同じだと思います。自分で生の数字を実際に見て、そこで判断する。指示ではなく、動機づけを含めて人を動かす。目標設定を行って成果に繋がらなかったら、失敗を経験してもう一度やる。
ここまで一緒に経験すると、初めて「経営する力」がついてきますので、「研修+実践」を繰り返し行なっていく必要があります。
例えば、当社の場合、研修を入れるなら、以下のように経営者と管理者が一緒に参加する「本格的な経営の実践シミュレーション研修」を行なっておりますので、ご興味がある方はご覧ください。
11.社内だけで育成するのが難しいときの3つの方法
中小企業白書において、社内で人材育成ができない理由は、
「教えられる人がいない(指導者の不足)」です。
中小企業白書
経営幹部や社員を育てていく方法には、大きく3つあります。
1つ目は、社長自身が育てること。これができるなら一番自然ですが、これができないから社長が悩んでいるのだと思います。また、社長も同じ人間ですから、感情を一切捨てて指導するのはどこかで「ここまで言ったら辞めないかな」「ほんとはここまでやってほしいけど」と考えてしまい、言いたいことが言えなくなるケースも多々あります。
2つ目は、外部研修や講師を活用する。外部講師を招いた社内研修を実施することや外部セミナーなどに参加させて考え方やマネジメントの知識を学ばせる方法です。デメリットは一過性になりやすく、研修・セミナー後の落とし込みや定着が形骸化してしまいやすいことです。
そして3つ目が、外部の経営人材と一緒に実際の経営を経験させるという方法です。例えば当社が実施しているCOO代行サービスは、「目標設定・全員にKPIを決めさせる」「この数字、どう思います?」「なら、今月どうします?」と幹部と一緒に経営会議や事業計画を進めていきます。
これは、外部研修のような「経営を教える」というより、「一緒に経営する」というイメージです。もちろん、すべての会社に外部人材が必要なわけではありません。社長自身が育てられるなら、それでいいですし、社内に優秀なNo.2がいるなら、それが一番いいです。
重要なのは、「今の会社に、幹部が経営を経験できる環境があるか?」ということです。
12.Daysコンサルティングが考える幹部育成
当社では、管理者向けの研修も実施していますが、「研修をして幹部を育てる」というより、「経営する経験を増やして幹部を育てる」ことを重視しています。「初歩的」だと思う経営者の方もいるかもしれませんが、重要なのは「その質」です。
・まずは経営会議を開催する、定例にする
・事業計画、目標数字、KPIを見てもらう
・自分で施策を考えてもらい、各部門・各チームで実行してもらう
・定点観測で少なくとも月に1回、週に1回PDCAを確認して失敗したら一緒に振り返る。
これを繰り返します。基本的なことかもしれませんが、第三者の経営人材がファシリテーションを行うことで、忖度ない意見が飛び交ったり、発言を促すことや真の問題を発見することもできます。
すごく当たり前の話ですが、実際にあった事例です。「管理者を育ててほしい」というテーマをお持ちの支援先での経営会議に初めて参加した時に、会議の最後に忌憚なき意見をくださいと言われたので、私からお伝えしたのは、
「社長、今日の会議ですが、90%以上社長が話してます。社員さんからは報告以外の発言がない以前に、社長が社員さんに対して意見を求めた回数は何回ですか?(うーん?)はい、0回です。社員さんにも水を向けないと話すことはできません。」
次回から、当社でファシリテーションを行ってから、少しずつ社員さんの発言も増え、今では社長が話す割合の方が圧倒的に少ないです。
COOはコンサルティングもしますが、外部の私たちが全部考えてしまったら、「社長依存」が「COO依存」に変わっただけです。それでは意味がありません。最終的には、社長がいなくても幹部会議が進む。幹部自身が数字を見て問題を発見し、自分たちで打ち手を決めて、社員を動かして、結果を振り返る。社長なしでそこまでできるようになるのが目標です。
13.経営幹部・No.2育成についてよくある質問
Q1.経営幹部が育たない原因は何ですか?
本人の能力や適性だけが原因とは限りません。判断を任せていない、責任と権限が合っていない、経営数字を共有していない、失敗する機会を奪っているなど、会社側の仕組みが原因になっていることもあります。
また、近年感じることが能力や適性以前に、本人が幹部や管理職になる気がないという場合です。能力はあるのに本人にやる気が無ければ動機づけが非常に大変です。1on1面談でその方のキャリアプランやビジョンをまずは聞くことや入社からロードマップを提示することで前々からキャリアプランを意識させることなど対策が必要です。
Q2.管理職と経営幹部は何が違いますか?
会社によって定義は異なりますが、私は「管理職は与えられた目標を自部門で達成する人」「経営幹部は会社全体の目標から、自分たちが何をするべきかまで考える人」と整理しています。
Q3.幹部へ会社の数字を見せても大丈夫ですか?
何でも全社員へ公開する必要はありません。恐らく、社長が悩むところは人件費の部分かと思いますが、当社の場合は販管費を経営幹部で調整できる術があるなら公開しても良いですが、あまり対策は打てないなら、「人件費」「その他販売管理費」とまるっと出します。ただし、利益責任を持たせるのであれば、判断に必要な売上・粗利益・人件費・金額の大きい固定費などの情報は共有する必要があります。
Q4.幹部研修は意味がないのでしょうか?
開催する意味はあります。ただし重要なのは研修だけで終わらせず、研修後に「何を任せるのか」「何を学んでどう仕事に活かすのか」「振り返りをどうするか」まで設計することが重要です。知識と実際の経営経験を組み合わせることをおすすめします。
Q5.社内にNo.2候補がいない場合はどうすればいいですか?
No.2に限らず、経営幹部を採用するには、中途採用、社内育成、外部経営人材の活用などがあります。どれか一つだけで考える必要はなく、外部人材を使いながら中長期的に社内人材を育てる方法など複合的な運用方法もあります。
Q6.COO代行で幹部育成もできますか?
支援内容によりますので、Daysコンサルティングの場合は、経営会議、KPI管理、事業計画などの実務を幹部と一緒に進め、実際の経営課題を通じて経営会議と個別面談で振り返りを行いながら育成することを重視しています。
14.まとめ|経営者目線を持たせたいなら、経営を経験させる
経営者の経営幹部に対する本音は「もっと主体性をもって経営者目線を持ってほしい」だと思います。経営者からよく聞く言葉です。
でも私は、その前に一つ確認してほしいと思っています。
「社長は本当にその方に、経営を経験させていますか?」
会社の数字を見せて、会社全体について考えさせて、判断させているか。失敗したら責めるのではなく、そのラインを見極めて正しく転ばせているか(失敗させているか)。責任と権限を渡しているか。失敗した後、振り返りをしてもう一度任せているか。
経営幹部に、経営者目線を持たせたいなら、経営を一緒に経験させる。私は、これが幹部育成の一番重要なところだと考えています。最初から完璧なNo.2を探す必要はありません。
今いる管理職、もっというと社員全員がこの認識を持っていれば非常に強い組織へと変えていくことができます。経営会議の在り方、面談の仕方、仕事の任せ方を少しずつ責任と権限を任せて、
見て、考えて、決めて、実行する、振り返る、という経験を渡していく。社長からも「次はどうする?どこを治す?どう考えた?」と問うていくことで、
「社長、どうしたらいいですか?」だった人が、「社長、私はこうした方がいいと思います」に変わっていきます。
さらに、「私はこう考えたので、ここまで進めておきました」まで変わったら、会社は大きく変わります。社長が全部考える会社から、経営について考える人が複数いる会社へ。私は、それが「幹部が育った」という状態だと考えています。
経営幹部・No.2育成について無料相談を受け付けています
まず、社長が悩んでいることや企業の課題をご相談いただき、問題・課題の整理としっかり「ガス抜き」を行なってから、「そもそもなぜ、今の会社では幹部が育っていないのか?」を一緒に整理するところから始めます。経営会議のファシリテーションからの導入も承っておりますので、お気軽にご相談くださいませ。
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その他のサービス
この記事を書いた人:株式会社Daysコンサルティング代表 本宮 直 中小企業診断士・経営革新等認定支援機関へ登録。2022年に中小企業診断士事務所として独立。会社の強みを活かす経営支援で、組織を成長させる実行支援「COO代行サービス」により、クライアントの対前年成長率は平均157%・補助金や融資の採択率は96%を超え、着実に成果を出す支援が特徴。
days-consulting.com


この記事を書いた人:株式会社Daysコンサルティング代表 本宮 直
中小企業診断士・経営革新等認定支援機関へ登録。2022年に中小企業診断士事務所として独立。会社の強みを活かす経営支援で、組織を成長させる実行支援「COO代行サービス」により、クライアントの対前年成長率は平均157%・補助金や融資の採択率は96%を超え、着実に成果を出す支援が特徴。