事業再構築補助金
2025年1月12日経済産業省から「事業再構築補助金」の最後の募集情報が発表されました。今回は、「事業再構築補助金」の概要や申請に係るポイントを解説していきます。新規事業を開始される方や、以前事業再構築補助金に応募して残念ながら不採択だった事業者様は最後までご覧ください。
事業再構築補助金の概要
事業再構築補助金は、ポストコロナの時代の経済社会の変化に対応するために新市場進出(新分野展開、業態転換)、事業・業種転換、事業再編、国内回帰・地域サプライチェーン維持・強靱化又はこれらの取組を通じた規模の拡大等、思い切った事業再構築に意欲を有する中小企業等の挑戦を支援することで、日本経済の構造転換を促すことを目的としている補助金です。(引用:事業再構築補助金 公募要領より抜粋)
事業再構築補助金の特徴として、補助金額が最低100万円〜最大1億円まで受け取れる大型の補助金であり、補助対象とできる経費に新築や改装できる建物費が含まれているところが大きなポイントになっています。
補助金の申請枠
従業員数・ 企業規模 | 従業員 20人以下 | 従業員 21人〜 50人 | 従業員 51人〜 100人 | 従業員 101人以上 | 中堅企業等 | 中小企業者等 | 中堅企業等 |
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申請枠 | 補助金額 | 補助率 | |||||
成長分野進出枠(通常類型) | 100〜 1,500万円 | 100〜 3,000万円 | 100〜 4,000万円 | 100〜 6,000万円 | – | 1/2 | 1/3 |
成長分野進出枠(GX進出類型) | 100〜 3,000万円 | 100〜 5,000万円 | 100〜7,000万円 | 100〜8,000万円 | 100〜1億円 | 1/2 | 1/3 |
従業員数・ 企業規模 | 従業員 5人以下 | 従業員 6人〜 20人 | 従業員 21人以上 | 中堅企業等 | 中小企業者等 | 中堅企業等 |
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申請枠 | 補助金額 | 補助率 | ||||
コロナ回復加速化枠(最低賃金類型) | 100〜500万円 | 100〜1,000万円 | – | 3/4 | 2/3 |
申請枠 | 概要 |
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(A)成長分野進出枠(通常類型) | ポストコロナに対応した、成長分野への大胆な事業再構築にこれから取り組む事業者や、国内市場縮小等の構造的な課題に直面している業種・業態の事業者が取り組む事業再構築を支援 |
(B)成長分野進出枠(GX 進出類型) | ポストコロナに対応した、グリーン成長戦略「実行計画」14分野の課題の解決に資する取組をこれから行う事業者の事業再構築を支援 |
(D)コロナ回復加速化枠(最低賃金類型 | コロナ禍が終息した今、最低賃金引上げの影響を大きく受ける事業者の事業再構築を支援 |
卒業促進 上乗せ措置 | 各事業類型(A)~(D)の補助事業を通して、中小企業等から中堅企業等に成長する事業者に対する上乗せ支援 |
中長期大規模賃金引上促進上乗せ措置 | 各事業類型(A)~(D)の補助事業を通して、大規模な賃上げに取り組む事業者に対する上乗せ支援。 |
補助金の対象者
(1)中小企業者(組合関連以外)
(2)「中小企業者等」に含まれる「中小企業者」以外の法人
(3)中堅企業等
業種 | 資本金 | 常時従業員数 |
製造業・建設業・運輸業・旅行業 | 3億円 | 300人 |
卸売業 | 1億円 | 100人 |
サービス業 (ソフトウェア業、情報処理サービス業、旅館業を除く) | 5,000万円 | 100人 |
小売業 | 5,000万円 | 50人 |
ゴム製品製造業 (自動車又は航空機用タイヤ及びチューブ製造業並びに工業用ベルト製造業を除く) | 3億円 | 900人 |
ソフトウェア業又は情報処理サービス業 | 3億円 | 300人 |
旅館業 | 5,000万円 | 200人 |
その他の業種(上記以外) | 3億円 | 300人 |
補助対象経費
対象経費 | 対象となる経費(抜粋) | 対象とならない経費(抜粋) |
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①建物費 ※建物の新築については必要性が認められた場合に限る。 | ・専ら補助事業のために使用される事務所、生産施設、加工施設、販売施設、検査施設、共同作業場、倉庫その他事業計画の実施に不可欠と認められる建物の建設・改修に要する経費 ②補助事業実施のために必要となる建物の撤去に要する経費 | ・構築物に該当するもの ・事業計画の内容に基づき補助金交付候補者として採択された場合も、「新築の必要性に関する説明書」の内容に基づき、建物の新築については補助対象経費として認められない場合 |
②機械装置・ システム構築費 (=単価10万円(税抜き)以上の設備投資を行うことが必須) | ・専ら補助事業のために使用される機械・装置、工具・器具(測定工具・検査工具、電子計算機、デジタル複合機等)の購入、製作、借用 ・専ら補助事業のために使用される専用ソフトウェア・情報システム の購入・構築、借用 | ・同一代表者・役員が含まれている事業者、資本関係がある事業者を機械装置・ システム構築費の発注先とする ・事業にかかる自社の人件費(ソフトウェア開発等) |
③技術導入費 | ・本事業の実施に必要な知的財産権等の導入に要する経費 ・知的財産権を所有する他者から取得(実施権の取得を含む)する場合は書面に よる契約の締結が必要 | ・技術導入費支出先には、専門家経費、外注費を併せての支払い |
④専門家経費 | ・本事業の実施のために依頼した専門家に支払われる経費 | ・応募申請時に事業計画書の作成を支援した専門家の経費 |
⑤運搬費 | ・運搬料、宅配・郵送料等に要する経費 | ・購入時の機械装置の運搬料については、機械装置費に含める |
⑥クラウドサービス利用費 | ・専ら補助事業のために利用するクラウドサービスやWEBプラットフォームの 利用費 ・サーバーの領域を借りる費用(サーバーの物理的なディスク内の エリアを借入、リースを行う費用)、サーバー上のサービスを利用する費用 | ・自社の他事業と共有する場合 ・サーバー購入費 ・サーバー自体のレンタル費 ・パソコン・タブレット端末・スマート フォンなどの本体費用 |
⑦外注費 | ・新製品・サービスの開発に必要な加工や設計(デザイン)・検査等の 一部を外注(請負、委託等)する場合の経費 | ・外注先が機械装置等の設備を購入する費用 ・外部に販売・レンタルするための量産品の加工を外注する費用・事業者が行うべき手続きの代行費用 |
⑧知的財産権等関連経費 | ・新製品・サービスの事業化に当たって必要となる特許権等の知的財産権 等の取得に要する弁理士の手続代行費用、外国特許出願のための翻訳料 等の知的財産権等取得に関連する経費 ・国際規格認証の取得に係る経費 | ・補助事業の成果に係る発明等ではないもの、事業期間内に出願手続きを完了していない場合 ・日本の特許庁に納付する手数料等(出願料、審査請求料、特許料等) ・拒絶査定に対する審判請求又は訴訟を行う場合に要する経費 |
⑨広告宣伝・販売促進 | ・開発又は提供する製品・サービスに係る広告(パンフレット、動画、写真等)の作成及び媒体掲載、展示会出展(海外展示会を含む)、セミナー開催、市場調査、営業代行利用、マーケティングツール活用等に係る経費 | ・補助事業以外の自社の製品・サービス等の広告や会社全体のPR広告に関する経費 |
⑩研修費 ※上限額=補助対象経費総額(税 抜き)の 3 分の1 | ・本事業の遂行のために必要な教育訓練や講座受講等に係る経費 | ・日常の業務に就きながら行われる教育訓練(いわゆる OJT)及び補助事業の遂行に必要がない教育訓練や講座受講等 ・研修受講以外の経費(入学金、交通費、滞在費等) |
スケジュール
申請回 | 第13次(未定) | 第14次 |
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公募開始 | 2025年1月10日 | 実施なし |
申請受付締切日 | 2025年3月26日 | |
事業実施期間 (成長分野進出枠(GX 進出類型)以外の類型) | 交付決定日から12ヶ月以内 | |
事業実施期間 (成長分野進出枠(GX 進出類型)) | 交付決定日から14ヶ月以内 |
引用元:中小企業庁 IT導入補助金ページ
事業再構築補助金のメリット
補助金は原則返済不要
補助金は融資とは異なり、交付を受けたら返済の必要はありません。そのため、必要な設備投資のリスクを最小限に抑えて設備導入をすることができます。しかし、補助金は受け取ったら終わりではなく、要件通りに事業を進めることや達成すべき要件が未達の場合は返済する可能性もありますので、注意してください。
経営課題を洗い出すチャンス
補助金申請時には自社の強みや経営課題を整理し、新規事業を実施するための経営方針を明確にする必要があります。そこで、改めて自社の課題を振り返り、そもそもなぜそのような課題が生まれたのか、新規事業を行うと解決することなのか?など自社の経営課題を社内で振り返る機会にすることができます。
不採択でも再申請ができる
事業再構築補助金は、一度採択になった企業でも再申請をすることができます。しかし、不採択になった場合、審査員に新規事業の意図や目的、必要性が伝わっていなかったり、そもそも要件を満たしていない場合がありますので、同じ内容で再申請しても不採択になる可能性が高いです。
次回が最終申請となってしまうため、その場合は、お早めに弊社までご相談ください。
また、事業再構築補助金の事業で使用した資料や証拠書類は必ず保管し、捨てないように取っておくことをおすすめします。資料を提出する実績報告では、膨大な資料の提出が求められたり、提出した資料では要件を満たさないということもあるため、せっかく採択されたのに、補助金が受け取れなかったということがないように資料をきちんと保管するように注意しましょう。
まとめ
事業再構築補助金は、今回の募集で最後となります。ぜひ新しい事業を実施する方や前回不採択になってしまった方は最後の機会にご参考にしていただけますと幸いです。また、弊社では事業再構築補助金を含めた補助金でこれまで30件以上3億円超の採択実績がございます。
もし、ご自身で計画書の作成が難しい場合は、当社では補助金の申請サポートを行っておりますので、お気軽にご連絡お待ちしております。弊社では、宮城県・福島県・岩手県・山形県・秋田県・青森県の事業者様は訪問でのサポートも可能です。申請やパソコン作業等に不安がある方でも、ご相談だけでも安心してお問い合わせくださいませ。
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本記事は中小企業庁のホームページを参考に作成しております。公募時期や詳細につきましては、ご確認をお願いいたします。