経営者のみなさんはこんな風に思ったことはありませんか?
「やりたいことはある。やらなきゃいけないこともわかってる。でも、実行に移せる人がいない」
「売上も社員も増えてきた。でも、なぜかいつまでも社長である自分の仕事は減らない」
「管理職はいる。でも、同じ立場で悩み考えられる経営を任せられる人はいない」
中小企業の経営者と話をしていると、このような悩みを聞くことがあります。
経営者は毎日忙しいです。
営業もしなければならない。
社員の相談にも乗らなければならない。
採用もしなければならない。
資金繰りも考えなければならない。
新しい事業も考えたい。
本当は3年後、5年後の会社について考えたいのに、目の前の仕事で一日が終わってしまう。
そんな経営者を支える方法の一つが「COO代行」です。
COO代行とは、社内にCOO(最高執行責任者)を置く代わりに、外部の専門人材が経営者の右腕として、経営戦略の具体化、KPI管理、会議運営、組織づくりなど、経営の「実行」を支援するサービスです。
ただ、私はすべての中小企業にCOO代行が必要だとは考えていません。
社内に経営を任せられる幹部がいるのであれば、その方がいいです。社長自身に十分な時間があり、戦略から実行まで回せるのであれば、無理に外部人材を入れる必要もありません。
では、どんな会社にCOO代行が必要なのか。そもそもCOOは何をする人なのか。今回は、中小企業の経営支援に携わってきた経験も踏まえながら、COO代行について解説します。
1.そもそもCOOとは?
COOとは「Chief Operating Officer」の略で、日本語では一般的に「最高執行責任者」と訳されます。簡単に言えば、
社長が決めた経営の方向性を、実際に会社の中で動かしていく人です。
例えば、社長が、「3年後に売上10億円を目指す」という目標を掲げたとします。目標を掲げるだけなら簡単です。でも、実際に10億円を達成するためには、
・そもそも現在の売上はいくらなのか。いくらのギャップがあるのか。
・既存事業を伸ばすのか。新規事業や新サービスの開発は必要か。
・営業体制はこのままで良いのか。採用はどうするのか。
・具体的にどんなことを取り組まないといけないのか。誰が・何を・いつまでに行うのか。
まで考えなければいけません。いわゆる経営コンサルティング会社はこうした経営戦略や事業計画の策定支援は多く行われています。しかし、計画は作ることよりも実行することのほうが何倍も大変です。
計画を作った後も、「実際に進んでいるのか」「数字は達成できているのか」「遅れているなら何を変えるのか」をマネジメントし、改善活動を続ける必要があります。当社では、
社長が、「会社をどこへ向かわせるか」を決める役割だとすれば、
COOは、「そこへ行くために、どうやって会社を動かすか」を担う役割です。
もちろん、実際のCOOの権限や業務範囲は会社によって異なります。大切なのは肩書ではありません。「経営戦略を実行する役割を誰が担っているのか?」ということです。
2.COO代行とは?
COO代行とは、社内にCOOを置く代わりに、外部人材がCOO機能を担うサービスです。
一般的な社員として採用するのではなく、業務委託などの形で一定期間経営に参加します。
例えば、当社ではCOO代行として以下のようなことを行います。
・社長と対話する中で経営戦略と実現したいビジョンを具体化する
・ゴール設定・指標となる数値(KPI)・具体的なアクション(KAI)へ落とし込む
・経営会議をファシリテーションし、社員の落とし込みとPDCAサイクルをまわす
・施策の進捗を確認し、足りないところは実行支援を行い、一緒に改善する
・研修や人事評価制度の構築、1on1面談で経営幹部を育てる
といった仕事が一例です。COOとCOO代行を簡単に比較すると、次のようになります。
| 比較 | COO | COO代行 |
|---|---|---|
| 所属 | 社内役員・社員など | 外部人材 |
| 契約 | 雇用・役員など | 業務委託など |
| 役割 | 経営戦略の実行 | 経営戦略の実行支援 |
| 導入 | 採用・社内登用 | 外部契約 |
| 導入スピード | 採用・育成期間が必要 | 導入しやすい |
| 向いている会社 | COOを社内に常設したい | 社内に適任者がまだいない |
私自身、最終的には社内に経営を任せられる人材がいる状態が理想だと考えています。ただ、その人材が育つまでには時間がかかります。「育つまで社長が全部やる」という選択肢しかないわけではありません。その間だけ外部からCOO機能を補う。これも一つの考え方です。
3.なぜ中小企業にCOO代行が必要なのか?
中小企業の社長は、とにかくやることが多いです。
営業、人事評価、会議運営、採用、資金繰り、銀行対応、取引先との交渉、トラブル対応、新規事業や新商品の開発。
さらに、
「社員が退職したいと言っています」
「お客様からクレームが来ています」
「営業しているんですけど、売上が上がりません」
と、問題が起きるたびに社長へ話が上がってきます。創業当初はそれでもいいと思います。社員が5人しかいない会社で、わざわざ経営階層を何段階も作る必要はありません。むしろ社長が直接判断した方が速いです。
しかし問題は、会社が大きくなっても社長に頼る同じ経営方法を続けていることです。
10人、20人、30人、50人と社員が増えているのに、すべての重要な意思決定が社長を通っている。これでは、会社が成長するほど社長が忙しくなります。そして最終的には、
会社の成長速度=社長が処理できる仕事量
になってしまいます。
こうなると、社長はなんというか。
「社員が全く動かない。自主性がない」
「結局自分が全部やっている。自分がやった方が早い」
というのが口癖になっていませんか?
これは社員が悪いという話ではありません。もちろん社長が悪いという話でもありません。会社の成長に対して、経営の仕組みが追いついていない状態です。
「自分がいないと会社が回らない」と感じている方は、「社長が現場から抜けられない会社に共通する7つの特徴」も参考にしてください。
4.中小企業に足りないのは「アイデア」ではなく「実行する人」
私が中小企業の経営支援をしていて感じることがあります。
それは、「アイデアがない会社」は意外と少ないということです。
中小企業の経営者と話をすると、
「新規事業や新しいサービスを開発したい」
「もっと採用を強化したい」
「人事評価制度を変えたい」
「営業方法を変えたい」
「ホームページを作り直したい」
「AI導入やIT化を進めて業務の効率を良くしたい」
と、やりたいことはたくさん出てきます。経営者は普段から会社のことを考えているので、アイデア自体は持っています。しかし、問題はその後です。
「で、誰がやるの?」
となると、止まってしまう。社員は今の仕事で手一杯。管理職も自分の部署を見ることで精一杯。結局、「じゃあ自分(社長)がやるか」という場面に私も何度も遭遇してきました。
挙げ句の果てに、社長が自分で取り組んだ結果、「社長なんか新しいことをやりだしたよ」「何やっているかはよくわからないけど」など社員から不思議がられることもしばしば。
私は、中小企業では、
「何をやるか」よりも「誰がいつまでに実行するか」がボトルネックになっている会社が少なくない
と感じています。同様に、社員も考えていないのではなく、経営戦略も、新商品や新規事業のアイディアもないのではなく、そもそも考えるきっかけや機会を与えていないだけだと考えています。そして何よりもそれらを実行する機能・能力が備わっていないだけです。
経営者の考えを、具体的な計画にして実行する機能が不足している。
ここにCOOという役割が必要になる理由があります。
5.COO代行の具体的な仕事内容
では、COO代行は実際に何をするのでしょうか。会社によって課題は異なりますが、代表的には次のような業務があります。
① 将来のビジョンから経営戦略を具体化する
「売上を伸ばそう」「組織を良くしよう」それだけでは社員は動けません。さらに社員は数字目標だけでは動きません。
・会社はどこに向かっているのか。どこに向かうのか。
・どんなことを大切にする組織なのか。何のために働くのか。
・それらを実現するために何をしないといけないのか。
・叶えるための目標を具体的な数字や施策へ落とし込む
経営コンサルティング会社は経営戦略や事業計画を策定することが多いですが、私の経験上それでは現場を動かすことはできません。腹落ちさせ、実行に移させるように巻き込んでいく能力が求められます。
② 社員が主体的に行動できる計画へ落とし込む
当社の場合、経営者は忙しさや売上獲得のプレッシャーから短期的な思考に陥っていることが多いです。そこを少し将来のことを考える時間を作り、中長期的な目標を一緒に考えます。そこから逆算して、
・5年間の年度目標
・各事業部やチームの部門目標
・各KPIの設定と具体的に取り組むこと
・誰が何をいつまでに取り組むのか
まで一緒に設計します。
③ 誰が見てもわかる透明性のあるKPIを設定する
例えば営業なら、アプローチ数・商談数・提案数・受注数・売上まで分解します。
売上が悪かったときに、「もっと頑張ろう」という抽象的なものではなく、
「商談数が足りないのか?」「受注率が悪いのか?」まで具体的かつ客観的に分かる状態を作ります。当社の支援事例でも、社長から「新規顧客が獲得できなくて困ってる」と相談をいただいたことがあります。普通なら新規の顧客を獲得するための施策を提案しますが、そもそもなぜ新規が獲得できないのだろうか?と社員へのヒアリング・受注データから分析すると、顧客からの紹介が無いことに気づきます。
真の課題は、「納品した顧客の満足度」「紹介営業の声がけ・ルートの確立」「レビュー改善」など新規の獲得施策とは全く異なるアプローチになったこともあります。つまり、きちんと定性的・定量的な観点から分析し、第三者だからこそ偏っていない見方で提案をすることができます。
④ ”報告会”から経営会議を変える
私が支援に入らせていただくときに社長から依頼されることが多いのが、経営会議や部門会議の参加です。会議を見ると、その会社の経営状態が結構分かります。ほとんどの会社が、
・数字を読み上げて報告して終わる「報告会議」
・社長だけが伝えたいことを話して、納得することを社員が答える「社長の正解探し会議」
・問題課題はたくさんは出るけれど、先送りにして誰がやるか決まらない。しまいには次の会議でも同じ話をしている。
これでは、会議をしても会社は変わりません。むしろ時間が勿体ないのでやらないでください。
こうなってしまう原因は「社長を含めた全員が利害関係者だから」です。
「誰かに否定されたくない」「無能だと思われたくない」「自分が言ったらやらないといけない」など社員側には社員の考えや不安がありますので、こういった雰囲気の会議になります。
第三者が適切に介入することで、「目標と現状」「ギャップ」「原因の特定」「改善策」「担当者」「期限」まできちんと決める。
利害関係が発生しやすい会議は、第三者が介入することで会議を「報告する場所」から「会社を前へ進める場所」へ変えることができます。
⑤ 決めたことを実行管理する
どれだけ経営会議で良い施策が決まっても、次の会議まで誰も確認しなければ進まないことがあります。むしろ、中小企業で次の会議までに100%アクションプランが完了していることのほうが稀です。「誰が」「何を」「いつまでに」を決めているため、どこで躓いてどこに障害があるのかを会議の前で即解決してアクションに戻ります。
この工程、実はシンプルに見えて非常に複雑です。社長が介入すると、どうしても叱責または答えを出してしまうなど社員の成長を阻害してしまう可能性もあります。もちろん即断即決しないといけないものは介入を促しますが、すべてを社長が決めてしまうなら、本当の担当者は社長です。そうならないように適切に介入してアプローチをすることが重要です。
⑥ 部門間を調整する
どの企業でも営業部門・人事部門・製造部門など少人数でもチームや部門があるはずです。そうすると、「営業は安く売りたい、たくさん売りたい、早く売りたい」「製造は効率よく作りたい。残業を無くしたい。手戻りを無くしたい」「管理部門はコストを抑えたい。クレーム・事故を無くしたい」
それぞれの主張は間違っていなくても、部門最適になってしまうことがあります。それぞれの主張は正しいからこそ、会社全体の目標から判断し、調整する役割が必要です。
⑦ 経営幹部を育てる
ここは私が特に重要だと考えている部分です。結局、外部COOが全部判断してしまったら、「社長依存」が、「外部COO依存」に変わっただけです。それでは意味がありません。
経営会議やKPI管理、事業計画、部門間調整を管理者や社員と一緒に進め、
「なぜこの数字を見るのか?どこの数字を見たら良いのか?」
「あなたならどう判断する?」「次に何をする?」
と考えてもらう。
最終的には、社内に経営できる人材を増やしていく必要があります。
経営幹部がなかなか育たない場合は、「経営幹部が育たない会社に共通する5つの原因」でも詳しく解説しています。
6.実際にあった「施策はやっているのに成果が出ない」ケース
以前、こんな相談がありました。ある企業がSNSマーケティングに力を入れていました。社長にヒアリングをすると、
「広告費も使っています」「SNSも更新しています」「表示回数も増えています」
一見すると、「ちゃんとマーケティングをやっている会社」です。
ところが、売上が増えない。そこで、「SNSのやり方が悪いのでは?」という話になり、外注でまあまあな金額を支払ってSNSコンサルを依頼し、成果は少しフォロワーが増えただけだったそうです。
そこから、当社に依頼があり、よく企業を見ていくと問題はSNSではありませんでした。
そもそも、
「誰に売るのか(誰に対しての発信なのか)」
「この投稿を見た顧客がなぜ自社を選ぶのか」
「競合サービスとの違いは何か」
「SNSを見た人をどこへ誘導するのか」
という戦略が曖昧だったのです。というよりはっきり言ってありませんでした。
この状態で、SNSコンサルの言う通り、
「Instagramをもっと更新しましょう」
「表示回数を増やしましょう」
とやっても、売上につながらない可能性があります。これはマーケティングだけの話ではありません。営業活動も、採用も、組織づくりもすべて同じことが言えます。
先ほどの例を文章で読むと「そんな当たり前のこと?」と思われた方もいらっしゃると思いますが、「そんな当たり前のこと」がとても重要であり、かつ「そんな当たり前のこと」こそ社員を含めて誰も指摘をしてくれません。
目の前の施策だけをモグラ叩きのように改善するのではなく、
「そもそも何を達成したいのか?」
経営者は会社全体を見なければなりません。しかし、日々の仕事に追われていると、どうしても目の前の問題への対応が増えます。だからこそ、経営者と一緒に会社全体を見て、戦略から実行・検証とPDCAをゆっくりでも着実に推進する人材が必要になります。
7.COO代行と経営コンサルタントの違い
私がよく聞かれるのが、「経営コンサルタントと何が違うの?」という質問です。経営コンサルタントという職務の定義が曖昧なので、正直、会社や人によります。
経営コンサルタントでも実行支援まで入る方はいますし、COO代行という名称でもアドバイス中心のサービスはあるはずです。ですので、
「経営コンサル=提案だけ」
「COO=実行する」
と単純に分けるべきではないと考えています。重要なのは名称ではなく、
「どこまで実行に関与するのか?」です。
例えば、「現状分析」「課題整理」「改善案を提案する」
ここまでで終了するサービスもあります。
一方、将来のビジョンから経営計画・実務レベルの実行支援・検証改善まで入るサービスもあります。
中小企業で、「何をやるかは分かっている。でも進まない」という状態なのであれば、後者のような実行支援が必要になる可能性があります。大切なのは、「コンサルかCOOか」という肩書ではなく、自社に不足している機能を補えるかで判断することです。
8.COO代行を利用する5つのメリット
① 社長が「社長にしかできない仕事」に集中できる
COO代行を利用する大きな目的の一つは、単に社長を暇にすることではありません。COO代行は社長の仕事を代行するものではありません。社長が本当にすべき業務に集中できるようにサポートをすることです。
社長が本来やるべき仕事は、「中長期の戦略を立てる」「新規事業の立ち上げ」「重要顧客のフォロー」「採用・人材育成・評価制度の確立」「金融機関の対応・資金調達」「投資判断」
など社長にしかできない仕事に集中することです。
② 経営人材を採用する前にCOO機能を補える
社長の右腕となる経営人材を採用する方法もあります。しかし、採用すれば必ず自社に合うとは限りません。社内で育てる方法もありますが、多大な時間が必要ですし、社内の人材が経営幹部や管理者にみんながみんななりたいかというと、決してそうではありません。
そこで、その間だけ外部人材を活用する方法があります。
「社長の右腕を中途採用するか、社内で育てるか、外部人材を使うか」については別の記事で比較しています。
③ 外部だからこそ見える問題がある
中小企業の最大の課題は、決めたことが実行されないことです。人数が少ない社内では当たり前になっていることも、外から見ると、「なぜこれをやっているんだろう?」と感じることが多々あります。
聞いてみると、「前の人がやってたから」「ずっとこうしてきたので」「あっ理由はわかりませんが」など、誰も指摘できない・誰も見えない視点からアドバイスや実行支援をすることが第三者だからこそできることもあります。
④ 決めた施策の実行速度を高められる
第三者が客観的に定点観測できるからこそ、決めた施策の実行速度を速めていくことができます。決められた施策がいつの間にか忘れていたり、やらなくなっていたり、中小企業ではよく発生することです。
単に忘れているのか、軌道修正が必要なのか、実は困り事があるのかなど適切に介入することでやらなきゃいけないことを確実にやらせていくことができます。
⑤ 経営改善と幹部育成を同時に進められる
経営戦略を立て、事業計画を推進していくことで事業成長・経営改善に取り組みながら伴走支援をしていくことで経営幹部や管理職の育成に繋げることができます。
最初はCOO代行が先頭に立ちながらも経営幹部や管理職を一緒に巻き込んでいくことで考え方や主体性を促すことで経営改善の過程を経験していただくことで実践的なOJTで人材育成をすることが可能です。
9.COO代行のデメリット・注意点
当然ですが、COO代行にもデメリットがあります。ここを理解せずに導入すると、「思っていたサービスと違った」となる可能性があります。
① 最初から会社のことを理解しているわけではない
外部人材ですので、最初から会社の歴史、社員、顧客、業界特性などを理解しているわけではありませんので、そこまで時間が必要です。しかし、私としては業界に詳しいかどうかは一長一短あると考えています。もちろん業界に詳しい方がより専門的なアドバイスが受けられる可能性がありますが、一方でその場合、その業界に長く勤めていたり、業界経験が豊富なことが多いです。そうすると、先述した業界特有の慣習や当たり前を疑わないことも増えてしまいます。
特に中小企業では、私の経験上、悩んでいる部分や課題は根本的には近いものが多いです。そのため、業界に特化せずとも運営をサポートできる場合は十分に期待できます。
② 社長との相性がかなり重要
恐らく①よりも重要なのがこちらです。COOは社長と非常に近い位置で仕事をします。意見が違ったときに率直に議論できるか。逆に、社長の考えを理解せず自分のやり方を押し付けないか。能力だけでなく相性も重要です。
こればかりはフィーリング等もあるため、一概には言えませんが、重要なのは「社長」も「COO代行」も両方に決める権利があるということです。
例えば、当社の場合、「社長の仕事、ぜーんぶ丸投げしたいんですよね」こういったお客様はお断りしています。私は中小企業の経営をサポートして、「日本に良い会社を増やす」ことを目標にしています。私は社長をやりたいわけではなく、一緒に良い会社を作り上げていきたいので、こういったお客様はお断りさせていただいております。
このように、お互いがどういった価値観で仕事をしているか、どんな将来を考えているかなど、もちろんスキルセットや能力も重要ですが、言語化ができない定性的な部分も非常に重要な部分だと私は考えています。
③ COOや経営幹部に権限を渡さなければ機能しない
中小企業の経営者が忙しい理由の一つは、「結局社長が社員に仕事を任せきれない」ことが挙げられます。何をするにも、
「一度社長に確認します」
ではCOOも経営幹部も能力を十分に発揮できません。どこまで任せるのかを明確に決める必要があります。社長のサポートをして欲しいのか、社長の指示を現場に落とし込んで欲しいのか、社長の指示を一緒に聞いて社員と行動をするのか。これだけでもアプローチが全く異なります。
④ 外部COOへ依存するリスクがある
COOは実行支援を伴うからこそ、当社の特徴でもありますが、社長よりも社員と対話する時間の方が多いです。そうすると、社長または社員同士が「COOがいれば大丈夫」となる可能性があります。
それでは、社長がCOOに変わっただけで、COOがいなくなった瞬間に会社が元に戻ったら意味がありません。外部人材がいる間に、会社の仕組みを整え、人材を育成して優秀な人材を社内へ残す必要があります。
10.COO代行の費用は何によって決まる?
COO代行や経営コンサルティングに料金の相場はありません。COO代行の料金は、関与する時間や業務範囲によって変わります。そのため、単純に、
「月額○万円だから高い・安い」と比較することはおすすめしません。
特に確認したいのは2つです。
① どのくらい会社に関与するのか
月に何回打ち合わせをするのか。月1回、2回、毎週なのか。
毎週会議に参加するのか。参加する会議の種類は経営会議のみかそれ以外もか。
日常的な相談にも対応するのか。メールや電話などの個別相談にも対応してくれるのか。
② どこまでの範囲でやってくれるのか
こちらの線引きが非常に難しいですが、1番重要な部分です。例えば、
アドバイスだけなのか、経営戦略の立案・事業計画の策定・KPI等のレポート作りまでか、社員との会議にも参加してもらえるのか、人材育成・研修・評価制度の運用など育成まで行うのか。
例えば当社の場合、経営は日々リアルタイムで問題が発生しますし、契約時点で決まった通りになる場合はほぼありません。目安となる業務内容や時間で決めることが多く、具体的なタスクは社長と都度すり合わせを行うことが多くなっています。
11.COO代行がおすすめの会社
COO代行を活用するのに会社の規模感は問いません。人数が少なくても急成長中の会社は社内人材の育成が進んでおらず必要になることもありますし、人数が多いと利害関係者や経営幹部・管理者である上層部の育成・調整が必要になることだってあります。
特にCOO代行がおすすめの会社は、
・経営者の右腕的なNo.2や経営幹部がいない企業
・経営者がトッププレイヤーとして活躍している企業
・管理職がまだ育っていない企業
・社長のやりたいことがたくさんあるのに実行に移せていない企業
・とにかく企業を成長させたい企業
上記のような企業にCOO代行サービスはおすすめです。また、すでに経営幹部や経営企画部がある企業でも、第三者の立場や視点を加えることで、企業内のコミュニケーションを促進させる効果や新しいアイディアや考えが創発される可能性が高まります。
特に、「課題も分かっている。やることも分かっている。でも誰がやるの?」
となっている会社です。ここに経営の実行支援機能を置くことで、状況が変わる可能性があります。
12.COO代行が必要ない会社
反対に、私はすべての会社へCOO代行を勧めるつもりはありません。
・経営者自身が実は心から成長したい、変えたいと思っていない
・とりあえずコンサルを入れておけば業績は良くなるだろうと考えている
・このまま現状維持の会社でいたい(実は変わりたくない)
上記のようなお考えであれば、COO代行サービスは使わないことをおすすめします。COO代行は「CEO(代表取締役)代行」ではありません。経営者に会社を成長させたい、変わりたいというお考えがなければ、やはりCOOを入れても残念ながらうまく機能はしません。
弊社の経験上でも、上記のような企業はやはり成果を生み出すことはできませんでした。
それを機に弊社も経営者や現場とCOOが一丸となって成長していく企業を支援していく必要があると痛感しました。
社内だけで経営できているのであれば、それが一番いい。COO代行を入れることが目的ではありません。会社が成長する仕組みを作ることが目的です。
13.COO代行を導入する流れ
実際の進め方は会社によって異なりますが、大きくは次のような流れになります。
STEP1 経営課題を整理する
「社長が忙しい」だけではなく、なぜ忙しいのか?何が社長に集中しているのか?何が進んでいないのか?を棚卸しすることから始まります。進め方は様々ですが、当社の場合は社長のタイムスケジュールや業務プロセスが分解することが多いです。
STEP2 ゴールを決める
例えば、
「とにかく社長の現場業務や営業時間を減らす」
「新規事業を立ち上げる」
「経営会議を社長中心の会議から幹部中心の会議にする」
「経営を担える次のNo.2を育てる」
などです。
STEP3 役割・責任・権限を決める
次に、いつまでに「社長」「COO」「経営幹部・社員」が何をするのか。具体的なアクションを設計し、ここを曖昧にしないことが重要です。
STEP4 実際に動かす
計画を作るだけで終わらせず、月次・週次で進捗をKPIで管理し、達成具合や滞っている部分の原因解消と改善を重ねていきます。
STEP5 社内へ仕組みを残す
現場と一緒に伴走支援を行い、組織風土を変え、現場が主体的になってくれば最終的には、「外部COOがいなくても回る状態」を目指します。
14.Daysコンサルティングが考えるCOO代行
私たちが考えるCOO代行は、「社長の代わりに何でもやる人」ではありません。また、「経営者へアドバイスするだけの人」でもありません。
経営者は悩みや愚痴をこぼせる人がいません。
「社長だから当たり前」「四六時中経営のことを考えないといけない」「弱音を吐いちゃいけない」そんなふうに思っている社長は大勢いらっしゃいます。
そのため、当社はまず「社長の話を聞きます」社長が話したいように、会社のこと・事業のこと・社員のこと・プライベートなことなど社長が言いたいことをとにかく聞きます。
そこから経営者が考えていることを整理し、会社の将来を一緒に考えて、戦略・計画・数字に落とし込み、社員と共有して実行に移し、会議をファシリテーションする。うまく進んでいなければ改善する。
ここまで一緒に進めることを大切にしています。
例えば私たちが支援しているテーマには、
・社長が本当につくりたい企業から経営戦略をつくり、事業戦略と組織づくりの設計
・社員の採用から人事評価制度の構築、社内研修の開催、各種会議のファシリテーション
・お金の流れを社員に落とし込み、金融機関対応まで実施
・製造や開発工程の業務改善を行い、IT導入やサポートで業務効率化を図る(パソコンが苦手な事務職へパソコン指導もしたことがあるレベルで実行支援しています)
など上記はすべて別々の会社の一例になります。会社によって課題は違います。だから最初から、「この施策をやりましょう」とは決めません。
まず、「社長は何をしたくて、この会社はどこを目指しているのか?」を確認する。
次に、「今、何が一番のボトルネックなのか?」を整理する。
ここまでお読みいただいて感じられた方もいるかもしれません。中小企業の最大のボトルネックは「社長自身」であることが非常に多いです。
そのうえで、「じゃあ何をするのか?」を決めます。
そのため、テンプレート的な支援は行いません。決めたらあとは実行する。私は、この「実行する」までが経営支援だと考えています。
15.COO代行についてよくある質問
Q1.COO代行とは何ですか?
COO代行とは、外部人材がCOO(最高執行責任者)の機能を担い、経営者とともに経営戦略の具体化や実行、KPI管理、会議運営、組織づくりなどを支援するサービスです。
Q2.COO代行と経営コンサルタントは何が違いますか?
明確な線引きがあるわけではありませんが、当社としてはCOOという役割は会社全体を見渡して、実行支援を行なっていく存在だと認識しています。
一般的に想像するアドバイスだけを行う経営コンサルタントとは違い、戦略や改善案の提案だけでなく、その後の実務支援・進捗管理まで関与するのが支援範囲です。
Q3.中小企業にもCOOは必要ですか?
すべての中小企業に必要なわけではありません。
社長に意思決定が集中している、戦略を実行する人がいない、No.2が育っていないといった場合には、COO機能を設けることで改善できる可能性があります。
Q4.社員10人程度でもCOOは必要ですか?
社員数だけで判断する必要はありません。
少人数でも複数事業があったり、すべての意思決定が社長に集中していたりすれば必要になる場合があります。
反対に人数が多くても、幹部が経営を担えている会社なら外部COOは必要ないでしょう。
Q5.COO代行では具体的に何をしてもらえますか?
経営戦略の具体化、事業計画、KPI管理、経営会議、施策の進捗管理、部門間調整、業務改善、幹部育成などが考えられます。
ただし、提供会社によって支援範囲は異なります。
Q6.COO代行の費用はいくらですか?
関与頻度や支援範囲、求める専門性によって異なります。
金額だけで比較せず、「どのくらい会社に入り、何をどこまで実行するのか」まで確認することをおすすめします。
17.まとめ|最終的には「COO代行がいなくても回る会社」へ
COO代行というと、「社長の右腕」という言葉で説明されることが多いです。もちろん、それも間違いではありません。ただ、私はCOO代行の本当の価値は、
「社長の代わりになること」ではないと考えています。COO代行が意思決定を行うのなら、意思決定者が社長からCOO代行に移っただけで現場は何も変わりません。
それでは、依存する相手が変わっただけです。
やはり目指したいのは、社長が会社の方向性を考え、幹部も経営について考える。管理職が自分の部門を動かし、社員も自ら考え改善する。そうすると自ずと会社として前に進む。という状態を作り上げることが理想です。そのきっかけをCOO代行が作っていくということになります。
だから、私たちが目指している最終地点は、「COO代行がいなくても成長できる会社」です。
少し矛盾して聞こえるかもしれませんが、私はそれでいいと思っています。外部人材がいなくなった瞬間に元へ戻るのではなく、経営の仕組みと人材が会社に残る。その状態をつくるためにCOO代行を活用する。それが、中小企業にとっての一つのCOO活用方法だと考えています。
COO代行・組織づくりについて無料相談を受け付けています
もし今、
「やりたいことはたくさんある。でも進まない」
「自分が現場から抜けられない」
「幹部はいるけれど、経営を任せられない」
「全部自分のところに判断が戻ってくる」
という状態であれば、一度現在の経営体制を整理してみてください。私たちは、最初からCOO代行を導入することを前提にはしていません。もしかするとCOO代行を入れなくても解決できるかもしれません。
社長が悩んでいること、愚痴からで構いません。
まずは、「なぜ社長に仕事が集中しているのか」を一緒に整理するところから始めます。
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この記事を書いた人:株式会社Daysコンサルティング代表 本宮 直 株式会社Daysコンサルティング代表・中小企業診断士・経営革新等認定支援機関登録 2022年に中小企業診断士登録、同年中小企業診断士事務所として開業。これまで大手企業の経営企画や投資信託業務の営業企画、外資系人材企業の人事業務・法人営業を担い、延べ300名以上のキャリア支援に携わってきた。会社の強みを活かす経営支援で補助金や融資の資金調達の採択率は96%を超える。

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この記事を書いた人:株式会社Daysコンサルティング代表 本宮 直
株式会社Daysコンサルティング代表・中小企業診断士・経営革新等認定支援機関登録
2022年に中小企業診断士登録、同年中小企業診断士事務所として開業。これまで大手企業の経営企画や投資信託業務の営業企画、外資系人材企業の人事業務・法人営業を担い、延べ300名以上のキャリア支援に携わってきた。会社の強みを活かす経営支援で補助金や融資の資金調達の採択率は96%を超える。

