社長の右腕は「中途採用・社内育成・外部人材」どれが正解?中小企業のNo.2のつくり方

中小企業の経営者はこんなふうに思ったことはありませんか?

「自分と同じ目線で会社を任せられる人がほしい」

「幹部はいるけれど、経営まで任せられる人はいない」

「いつまで経っても重要な判断が自分に集まってくる」

「営業もマネジメントも指示も製造開発も全部自分がやったほうが早い」

会社が成長するにつれて、多くの経営者が直面するのが「社長の右腕がいない」という問題です。

役職として、営業責任者や管理職・マネージャーと呼ばれる人はいても、会社全体を見ながら経営者と同じ目線で考え、戦略を実行できる人材は簡単には育ちません。

では、社長の右腕となる人材はどのように確保すればよいのでしょうか。

大きく分けると、

  1. ベテランの中途採用者を募集する
  2. 社内から人材を育成する
  3. 外部人材を活用する

という3つの方法があります。

本記事では、それぞれのメリット・デメリットを比較しながら、中小企業が自社に合った「社長の右腕」をつくる方法を解説します。

1.なぜ中小企業には「社長の右腕」が必要なのか

中小企業では、社長自身が会社で最も高い営業力や意思決定力を持っていることも珍しくありません。創業当初や事業承継直後は、社長が意思決定・財務管理・営業・社員への指示・顧客対応という経営スタイルでも会社は回すことはできます。

むしろ、人数が少ないうちは社長が直接判断した方がスピードも速いでしょう。しかし、社員が増え、事業が大きくなってくると状況が変わります。

営業、人材、組織、商品開発、新規事業、財務、顧客対応など、社長が判断しなければならないことが事業成長とともに増えていきます。

すると、いつの間にか「会社が成長するほど社長が忙しくなる」という状態になります。

さらに問題なのは、社長がすべての意思決定を続けることで、

「社長がいなければ会社が前に進まない組織」

になってしまうことです。会社を次のステージへ成長させるためには、社長一人で経営する状態から、経営を担う人材を増やしていく必要があります。

「社長が現場から抜けられない会社に共通する7つの特徴」についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

2.そもそも「社長の右腕」とはどんな人材なのか

「社長の右腕」というと、社長の仕事をサポートする人をイメージするかもしれません。しかし本当に必要なのは単なる補佐役ではありません。社長の右腕に求められるのは、

「経営者の考えを理解し、会社全体を動かして実行できること」

です。

例えば社長が、「3年後に売上10億円を目指す」という目標を掲げたとします。右腕となる人材は、「分かりました」で終わるのではなく、

・現在の売上はいくらなのか。3年後までにいくら増やす必要があるのか。

・既存事業と新規事業でいくらずつ伸ばすのか。

・事業戦略はどうするか。どういう立ち位置にするか。

・そのためにどのような組織や人材育成が必要なのか。

・誰が何を担当し、いつまでに取り組むのか。

といったところまで具体化していきます。意外と当たり前のように聞こえてしまうかもしれませんが、これができていない・やっていない中小企業はたくさんあります。

そして、計画を作るだけではなく、各部門を動かしながら実行します。

つまり社長の右腕とは、「社長の仕事を手伝う人」ではなく、

「経営目標を実現するために会社を動かす人」のことを指します。

3.方法① 外部から経営人材を採用する

一つ目の方法は、社外から経営経験のある人材を採用することです。

COO、事業責任者、執行役員、経営企画責任者などを採用し、社長の右腕として経営に参加してもらいます。

【メリット】

最大のメリットは、すでに経験を持った人材を採用できれば、比較的早く経営へ参加してもらえることです。

他社で事業責任者や経営幹部を経験している人材であれば、

・事業計画
・組織マネジメント
・KPI管理
・会議運営
・部門間調整
・人材育成

などの経験を活かせる可能性があります。また、自社にはない経験や考え方を持ち込んでもらえることもメリットです。

【デメリット】

一方で、難しいのが「自社に合う人材を採用できるか」という問題です。

経営人材には、経験や能力だけではなく、

・社長との相性
・会社の価値観への理解
・社員との関係構築
・事業への理解

も求められます。優秀な人材を採用したからといって、必ず右腕として機能するわけではありません。また、中小企業にとって経営経験のある人材の採用は、採用コストや人件費の面でも大きな投資になります。上記のようなデメリットが発生した場合に、「当社には合わないので即解雇」というわけにはいかないのです。

4.方法② 社内の幹部候補を育成する

二つ目は、現在働いている管理職や社員から次の経営幹部を育てる方法です。

例えば、「営業部長」「人事部長」「製造部長」「開発責任者」「管理部長」などの中から経営幹部候補を選び、徐々に人材育成と権限移譲を行うことで経営へ参加してもらいます。

【メリット】

社内の人材を活用する最大のメリットは、すでに会社や事業を理解していることです。顧客、商品、社員、社風などを理解しているため、外部人材より組織へ馴染みやすいです。

社員側から見ても、「社内から経営幹部になれる」というキャリアが見えるため、人材育成や定着にもプラスになる可能性があります。

【デメリット】

問題は「管理職」と「経営幹部」に求められる能力が違うことです。優秀な営業部長だからといって、必ずしも優秀な経営幹部になるとは限りません。当社が支援している中で感じる最大の課題は、

管理職は、「自分の部署をどうするか」(部分最適)を考えます。

一方、経営幹部には、「会社全体をどうするか」(全体最適)という視点が必要です。

そのため、

・事業計画を考えさせ、定性的なMVVの策定や定量的な売上高・利益額・顧客数等の目標設定
・課題となるギャップの深掘りと解決策の検討・提示
「忖度なし」で様々な意見・アイディアからの意思決定
・自社や自社商品の立ち位置や競合の整理
・人材育成、組織マネジメント

などを経験させる必要があります。社長の右腕候補を決めて役職を与えるだけではなく、実際に経営を経験させながら育てることが重要です。

また、注意しなければいけないのは社員全員が「経営幹部」になりたいと思っているわけではありません。当社の支援先で見ると、むしろなりたいと思っている人の方が少ないです。あるいは「経営者って良いな」など社長業の良い面しか見ていない人材のどちらかであることが多いです。

そのため、単に役職と権限を与えるだけでなく、きちんと対話して社員のキャリアプランを確認し、動機づけしていくことが大切です。

5.方法③ 外部人材・COO代行を活用する

三つ目が、外部の経営人材を活用する方法です。

例えば、経営コンサルティングサービスやCOO代行などを活用し、一定期間、社長と一緒に経営を担ってもらいます。正社員として採用する方法との大きな違いは、

「必要な経営機能を外部から一定期間補える」ことです。

例えば、先述した

  • 会社の経営方針から経営の目標を決める
  • KGI(最終ゴール)・CSF(定性的な目標)・KPI(ゴールを達成するための指標)・KAI(アクションプラン)まで落とし込む
  • アクションプラン・担当者・期限を決める
  • 上記の戦略会議や経営会議のファシリテーションをする
  • 途中経過を確認し、障害・問題を改善する

という実行部分を担います。社内にまだ経営を任せられる人材がいない場合でも、経営の実行機能を補えることが特徴です。


COO代行の仕事内容や役割については「中小企業の経営を支えるCOO代行サービスとは?」で詳しく解説しています。

6.「採用・育成・外部人材」を比較

3つの方法を比較すると、それぞれにメリット・デメリットがあります。

比較中途採用社内育成外部COO
導入スピード
会社への理解
経営経験◎※人材による△→○◎※人材による
初期コスト
採用リスク
長期的な社内蓄積
幹部育成との相性
柔軟性
※実際の条件は採用する人材・契約内容などによって異なります。

重要なのは、「どれが一番優れているか」ではありません。自社が現在どのような状態なのかによって、適した方法は変わります。自社の課題や問題がどこにあって、将来会社をどうしたいのかまで深く考えることが大切です。

7.自社にはどの方法が向いている?判断基準の参考

外部採用が向いている会社

今後も継続してCOO・事業責任者が必要であり、その人材を経営陣として迎えたい会社です。

時間とコストをかけてでも、長期的な経営体制を作りたい企業に向いています。

社内育成が向いている会社

社内に、「将来的に経営を任せたい」と思える人材がいる会社です。

すぐに社長の右腕として完成していなくても、数年かけて経営経験を積ませられるのであれば、社内育成は有力な方法です。

外部COOが向いている会社

「経営を任せられる社員はまだいない」

「第三者が介入することで意見が通りやすくしたり、ハブになってほしい」

「しかし社長一人で経営を続けるのも限界」

という会社です。必要な経営機能を外部から補いながら、同時に社内の幹部候補を育成していく方法も考えられます。

8.おすすめは「外部人材+社内幹部育成」

中小企業にとって特に検討したいのが、「外部人材を入れて終わり」にしないことです。

経営人材を入れたからすぐに売上が上がるかというとそれは稀です。実際に行動に移すのは社員自身のため、外部人材を入れただけでは足りず、一緒に成長・改善していくことが重要です。

理想的なのは、

外部COOが入る

社長と経営課題を整理する

経営目標・KPIを設定する

幹部を経営会議へ参加させる

幹部へ徐々に意思決定を任せる

外部COOが幹部をサポートする

社内で経営を回せる状態をつくる

という流れです。外部人材が永遠に会社を動かし続けるのではありません。外部の経営人材を活用しながら、「社内に経営できる人材をつくる」ことが重要です。

9.社長の右腕をつくる目的は「社長依存からの脱却」

社長の右腕をつくる目的は、単に社長を楽にすることではありません。会社の成長を、「社長一人の能力」に依存させないことです。

・社長が営業しなければ売上が上がらない。

・社長が判断しなければ仕事が進まない。

・社長が会議にいなければ何も決まらない。

この状態では、会社の成長速度にも限界があります。目指したいのは、

社長が方向性を示し、経営幹部が具体化し、各部門が実行し、社員が自ら考えて改善するという組織を作っていくことではないでしょうか?

そのための第一歩が、「経営を社長一人の仕事にしない」ことです。

10.まとめ|「誰を右腕にするか」ではなく「経営機能をどうつ作っていくか」

社長の右腕をつくる方法には、

  • 外部から採用する
  • 社内から育成する
  • 外部人材を活用する

という3つの選択肢があります。

重要なのは、最初から「誰か一人の優秀な人材」を探すことだけではありません。

自社には、

  • 経営戦略を絵に描いた餅で終わらせずに、具体化する機能があるか。
  • 進捗や改善を繰り返し、マネジメントしていく体制があるか。
  • 社長や他の社員に忖度した「報告する会議」になっていないか。会議で意思決定する機能があるか。
  • 部署ごとの部分最適ではなく、部門を横断して会社全体で進行・調整する機能があるか。
  • 経営幹部を育成する機能があるか。

まずは、「社長以外に経営を実行する機能が存在するか」という視点で会社を見てみてください。

右腕となる人材がいないのであれば、採用する。候補者がいるのであれば、育成する。社内育成に時間が必要なのであれば、その期間だけ外部の力を借りる。自社の状況に合わせて経営体制をつくることが、社長依存から脱却する第一歩です。

COO代行という選択肢

「幹部候補はいるが、まだ経営を任せられない」

「右腕を採用したいが、なかなか良い人材が見つからない」

「社長自身が現場に入り続けている」

「戦略を考える時間より、実行管理に時間を取られている」

このような課題を抱えている場合には、外部からCOO機能を補う方法があります。

Daysコンサルティングでは、経営戦略の提案だけではなく、経営者とともに実行計画へ落とし込み、KPI管理、会議運営、組織づくり、幹部育成まで支援するCOO代行を提供しています。

外部COOに依存することがゴールではありません。

最終的には社内に経営を担える人材を育て、組織で経営できる会社を目指します。

▶ COO代行について相談する

無料相談|社長の悩みと愚痴、聞かせてください。

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

「現場から抜けたいけれど、誰に任せればいいか分からない」

「幹部を育てたいが、なかなか育たない」

「経営戦略はあるのに、実行まで手が回らない」

このようなお悩みがあれば、まずは現在の経営体制を整理するところから始めてみませんか。

「結局、何でも自分のところへ戻ってくる」

Daysコンサルティングでは、経営戦略を提案するだけではなく、経営者とともに実行計画へ落とし込み、KPI管理、会議運営、組織づくり、幹部育成まで伴走する「COO代行」を提供しています。

社長自身が現場を回し続ける会社から、組織で経営を前へ進める会社へ。

現在の経営課題をお聞きしたうえで、COO代行が必要なのか、社内で解決できるのかも含めて整理します。

▶ 無料経営相談はこちら

「本当は経営に集中したいのに、今日も現場対応で1日が終わった」

そんな社長は少なくありません。

売上は伸びている。社員も増えてきた。
それなのに、社長の仕事は減るどころか増えていく。

または、

社員が動いてくれず毎年業績が悪化している
新しい事業や商品を考えないといけないのに人も時間もない

これらはすべて、社長個人の問題ではなく“会社の構造”の問題です。

社長の属人化を脱却して、悩みを減らしませんか?そのためのお手伝いをさせていただきます。


 この記事を書いた人:株式会社Daysコンサルティング代表 本宮 直
 中小企業診断士・経営革新等認定支援機関へ登録。2022年に中小企業診断士事務所として独立。会社の強みを活かす経営支援で、組織を成長させる実行支援「COO代行サービス」により、クライアントの対前年成長率は平均157%・補助金や融資の採択率は96%を超え、着実に成果を出す支援が特徴。

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